検査

検査の種類

グルテン・カゼイン ぺプチド検査(1)

尿ペプチドは、不完全に分解された蛋白質の一片です。これらグルテン(麦製品)とカゼイン(乳製品)由来のペプチドは、ヘロインやモルヒネなどのアヘン薬物の効果を模倣し、脳内のアヘン剤受容体と反応することができるので、体にとって重要な影響を与えます。
神経ペプチドと呼ばれるこれらの化合物は、音声と聴覚統合に関与している側頭葉などの脳の領域と反応することで知られています。神経ペプチドはまた、痛みを感じ、認知機能に影響を与える能力を減少させることでも知られています。

牛乳と小麦に対して食物アレルギーを持っているほとんどの人は、牛乳と小麦由来のペプチドにも問題があり、脳と相互作用し、アヘンのような効果を引き起こしています。しかし、牛乳や小麦に食物アレルギーはないけれども、ペプチドに問題がある、もしくはその反対のケースもあるため、ペプチドと食物アレルギー検査の両方を行うことが勧められます。

グリアドーフィンとは?

グリアドーフィン(またはグルテオモルフィン)とは、小麦蛋白質グルテンに由来するペプチドです。ライ麦、大麦、オート麦などに関連する穀類は、グルテンに見られるアミノ酸の配列と同じです。
グリアドーフィンは、乳製品由来のカソモルフィンに非常によく似ています。このぺプチドは、質量分析技術によって自閉症児の尿サンプル中に存在することが確認されています。カソモルフィンとグリアドーフィン両方は、7つのアミノ酸で構成され、下の図に省略されて示されています。これらのペプチド両方が、最初のN-末端配列tyr-pro(チロシンとプロリン)で、追加のpro(プロリン)はポジション4と6に位置しています。(下の図参照)

  
  1 2 3 4 5 6 7
カソモーフィン tyr pro phe pro gly pro ile
グリアドーフィン tyr pro gln pro gln pro phe

カソモルフィンとは?

カソモルフィンは、乳タンパク質カゼイン由来のペプチドです。カゼインは、牛、ヤギおよび人間を含むすべての哺乳類の乳汁における主要なタンパク質の一つです。

ノルウェーのライヒェルト博士をはじめ、フロリダ大学のケード博士、および他の研究員たちは、自閉症、PDD、セリアック病や統合失調症を持つ人々の尿サンプルから、カソモルフィンペプチドが大量に含まれていることを発見しました。

これらのペプチドはまた、小麦や乳製品の除去後、症状寛解が見られた事例報告に基づいて、慢性疲労、線維筋痛症やうつ病など他の疾患でも上昇している可能性が高いと考えられています。

ペプチドが連なり、これらのたんぱく質を構成しています。このペプチドは、細胞間のシグナルに関わり、神経的な機能を果たしています。

これらのペプチドはなぜ重要なのでしょうか?

ペプチドは、ヘロインやモルヒネなどのアヘン薬物の効果を模倣し、脳内のアヘン剤受容体と反応するため、ペプチドの影響を知っておくことが必要です。これらの化合物は、音声と聴覚統合に関与している側頭葉などの脳の領域と反応することが示されています。

自閉症児は小麦と乳製品を無性に摂取したがることがあります。これはおそらく、自閉症や統合失調症を持つ人々は不完全に小麦や乳製品を消化しているためです。これらの不完全消化されたペプチドは、アヘン剤のように脳の受容体に結合し、その後の動作や他の生理的反応を変化させています。

ペプチドの引き起こす問題

研究が進むにつれて、このペプチドが引き起こす問題が明らかにされつつあります。

個人によっては、これらのペプチドを消化・分解する能力が欠けています。

ペプチド分解には、「DDP4」という体内の酵素が必須となりますが、この酵素が、腸内での酵母菌の増殖や水銀に暴露している患者の状態により十分に生成されず、最終的にペプチド消化力を抑制しているかもしれません。

あるスタディ(※)では、不消化ペプチドが高いレベルで検出された患者には、消化器系、神経系、神経発達障害を伴っていることが報告されています。

(※)ノルウェーのケイル・レイチ博士とフロリダ大学のウィリアム・ケイド博士のスタディ→消化器系、神経系、また運動障害のある個人から採取された尿から、非常に高いカソモールフィン(乳製品に含まれるペプチド)レベルが検出されたことを発表。その他にも多くの両親が、子供が乳製品を摂取した後、急に走り出したり、幻覚を起したような異常行動が出たことを報告。

リーキーガット症候群

またこれらのペプチドは、刺激を受けた腸(※)内から漏れ、血液を通して脳へ運ばれる「リーキーガット症候群」を引き起こしているのではないかと考えられています。脳内に運ばれたペプチドは、オピエイト受容体と反応します。これらのペプチドは、ヘロインやモルヒネ(幻覚剤)と構造的に似ているため、オピエイト受容体にもヘロインやモルヒネが反応するのと同じように作用していきます。

結果として、幻覚剤を取ったときと同じような症状(音への過敏性、スピーチの障害、また痛みに対する不感性や知覚機能など)を起し、脳へ影響を与え、行動変化を引き起こすのです。

様々な疾患を伴う患者、多くの子供たち、特に自閉症の子供たちは、麦類や乳製品しか食べない、偏食が多い、問題を起す食べ物しか食べないというケースが多いといわれています。十分にペプチドを消化できない患者が、これらの食物しか食べていないとすれば、結果としてどのような健康状態になるでしょうか?この検査によっていかにペプチドが分解・消化されているかを調べてみるのも、お子さん、また患者さんの健康改善のための重要な手がかりとなるでしょう。

(※)刺激を受けた腸とは?
1. イースト問題によって腸が緩くなっている(不消化物が漏れる)こと。
2. 消化不良などで腸内の健康状態が刺激を受けることもあります。
この状態を防ぐためにDPP-IV(AFPペプチザイド等に含まれる酵素)が必須です。
しかし、DPP-IV値が少ないと消化の問題を起こすことが多くなります。

検査物

  • グリアドーフィン(麦由来のペプチド)
  • カソモーフィン(乳製品由来のペプチド)

検体採取条件

5mlの尿が最低量です。10mlが最も好ましい検体量です。朝一番に、飲み物や食べ物を口にする前に採取してください。もし大豆プロテインを摂っている場合、検査の最低一週間前から摂取を控えるようにしてください(大豆オイル、大豆レチシンは摂取可能です)。

検査サンプル

ペプチド検査結果のサンプル 【253KB】

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