検査結果のサンプル
OAT有機酸検査結果のサンプル画像です。
検査結果サンプル
OAT有機酸検査結果のサンプル 【PDF:666KB】
新しいマーカー
OAT有機酸検査マーカーが65種から75種になりました。
以下の10種の代謝物・マーカーが増えました。
- キノリン酸 – 炎症と神経毒素のマーカー
- キノリン酸はアミノ酸トリプトファン由来の有機酸で、高いレベルでは神経毒にもなります。キノリン酸のような興奮毒性物質は神経細胞を刺激しすぎるため、その細胞が死滅することもあります。キノリン酸によって起された脳毒性はアルツハイマー病、自閉症スペクトラム障がい(ASD)、ハンティントン病、心臓発作、認知症、うつ病、HIV関連の認知症や統合失調症にも関与していると報告されています。
- 無機リン酸 – 骨機能/ビタミンD欠陥のマーカー
- リン酸の低い数値は、副甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症、低リン酸摂取やビタミンD欠陥に関わっています。
- 4-ヒドロキシ安息酸 – バラベン(防腐剤)への曝露を示すマーカー
- 4-ヒドロキシ安息酸はメチルバラベンの代謝物で、抗真菌作用があり、食品や化粧品の添加物として利用されています。バラベンは、酸化性リン酸化を通した細胞ATPの消耗によりミトコンドリアの不機能に関わっているといわれています。また、パラベンは食物内のポリフェノールの真菌代謝によって生成されている可能性もあります。パラベンは乳がんのサンプルからも高いレベルで検出されていますが、絶対的な関係性はまだ解明されていません。
- 4-ヒドロキシ馬尿酸 – バラベン(防腐剤)への曝露を示すマーカー
- 4-ヒドロキシ馬尿酸は、4-ヒドロキシ安息酸のグリシン抱合体の一部です。4-ヒドロキシ安息酸はメチルパラベンの代謝物で抗真菌作用があり、食品や化粧品の添加物として利用されています。4-ヒドロキシ馬尿酸は、アントシアニン、フラボノール、ヒドロキシけい皮酸(これらは消化器系でバクテリアにより代謝される)が豊富なポリフェノールが含まれている果物の摂取により上昇します。4-ヒドロキシ馬尿酸は、腎臓疾患の末期では、Ca2+-ATPアーゼ(ATPを消費してカルシウムイオンを細胞外に排出する輸送体)の抑制物質であることが分かっています。
- リンゴ酸 – ミトコンドリア機能不全のマーカー
- リンゴ酸がクエン酸、フマル酸、アルファ-ケトグルタル酸と同時に上昇すると、チトクロムc酸化酵素欠陥である可能性が高く、これはミトコンドリアエネルギー経路の機能不全を示しています。
- DHPPA – 善玉バクテリアのマーカー
- 無害で良性のバクテリア、ラクトバシラス、ビフィズス菌や大腸菌は、クロロゲン酸を3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸(DHPPA)へ分解するため、その合成物の高い数値はその消化器系内のバクテリアの増殖に関与しています。
- N-アセチルシステイン(NAC) – グルタチオン前駆物質&キレート物質
- N-アセチルシステインは強力な抗酸化物でグルタチオンの体内蓄積を高める働きがあります。体内の液体からも検出され、栄養サプリメントとしても利用されています。N-アセチルシステインはタイレノール(鎮痛薬)のような薬剤の毒素を還元し、水銀やその他の重金属からも体を守ります。
- キノリン酸/5-HIAA 比率 – 神経毒素と炎症のマーカー
- キノリン酸とトリプトファン代謝物5-ヒドロキシインドール酢酸の高い比率は、多発感染、トリプトファン過度吸収、免疫過剰刺激、副腎によるコルチソールの過剰生成やフタル酸の過剰暴露による炎症などを示唆しています。
その他の重要なマーカー
新しいマーカーに加えて、OATはその他の重要な代謝物、クレブス回路、神経伝達物質も含めた生成物を数値化しています。この正当性ある検査は、イーストやバクテリア種の増殖、クロストリジアなど、通常の培養方法では見落とされていたものを検出します。これらの微生物とその代謝物は多くの医学的な状態の症状を引き起こしたり、症状を助長することが分かっています。イーストとバクテリア増殖の認識と最適な治療法を行うことで、回復の可能性はより高くなるでしょう。
- イースト
- カンジタを含むイーストや真菌の消化器系での増殖が、副生成物を通して数値化される。高いレベルにより増殖が示唆される。
- バクテリア
- カンジタを含む真菌の消化器系での増殖が、副生成物を通して数値化される。高いレベルにより増殖が示唆される。
- シュウ酸塩
- シュウ酸値やビタミンCが高い食物の摂取、消化器系疾患、B6欠陥、腸内イースト増殖などによってこの数値が高くなることが示唆される。高シュウ酸尿症の可能性もある。
- 糖分解
- 感染、運動、ビタミンB欠陥によって上昇。異常に高い数値は遺伝代謝疾患によるかもしれない。
- クレブス回路
- 異常性は栄養素欠陥、真菌増殖、グルタチオン(GSH)欠陥により起こるかもしれない。
- 2-オキソグルタル酸
- 過度のアンモニアを除去するためアミノ酸が再分化され、この数値が低くなる。
- 神経伝達物質
- ドーパミン、ノルエピネフリン、アドレナリンやセロトニン代謝物。異常値はストレスやわずかな解毒作用、うつ病、メタル毒素への曝露、また特定の腫瘍に関与しているかもしれない。
- ピリミジン
- 葉酸欠陥により僅かに上昇。遺伝的な不機能により異常数値となる。
- 脂肪酸
- ケトン食療法、断食、中性脂肪トリグリセリド、カルニチン欠陥、遺伝疾患により異常値となる。
- 毒素指標物
- グルタチオン欠陥、過度のアンモニア、アスパルテーム注入により異常値となる。
- ビタミン指標物
- B12、B6、ビオチン、アスコルビン酸を含む異常値。
- アミノ酸
- 遺伝的エラーによる異常値。
- その他
- 消化器系内の真菌活動や遺伝疾患による異常値。