自閉症 発達障害

自閉症や発達障害について

自閉症と消化器

2010年5月に自閉症スペクトラム障害がある子供では、胃腸障害を多く発症するという調査結果が発表されています。
いままでの諸試験では、自閉症児の胃腸障害罹患率について見解の一致をみていなかったため、オハイオ州立大学のDaniel Coury博士らがAutism Speaks' Autism Treatment Network(ATN)のデータベースを使って、自閉症児における胃腸障害の発症について調査を行いました。

このデータベースには、自閉症スペクトラム障害と診断された2~18歳の患者データが登録されており、患者の家族が、症状や、行動、QOLなどのアンケートに答えています。

最終的に評価対象となった小児および青年は、米国およびカナダの1,185名でした。調査の結果、データベースの約半数(45%)の子供に腹痛、便秘、下痢などの胃腸障害が認められました。

腹痛が最も多く59%で、次いで便秘(51%)、下痢(43%)の順で多くみられました。胃腸障害を有する患者では、胃腸障害がない場合に比べて、有意に高率で睡眠障害が認められました(70%対30%、P<0.0001)。

さらに、胃腸障害を有する患者のほうが、行動障害が強く、QOLが全体的に低いということでした。

また、患者の年齢が上がるにつれて胃腸障害の報告も多くなり、5歳未満の子供では、7歳以上の子供より胃腸障害が少なかったそうです(39%対51%、P<0.0001)。

調査を行ったCoury博士によれば、一次診療医や専門医は、家族に胃腸障害について聞き子供の全般的な治療計画の一環として対応したほうがよいそうです。

こちらもお読みください