C型肝炎問題
当時のミドリ十字はアメリカの監獄に収容されていた麻薬患者、売春婦、あるいは買血で収集した血液から止血剤になるフィブリノゲンを抽出生成していた。
このフィブリノゲンを大量出血した患者や妊産婦の止血剤に使用していたのである。
ミドリ十字の売り物は「フィブリノゲン」がトップ。これで大儲けしていたのだ。
だから薬害なんぞは関知せず、とにかく売りまくった。
1987年、青森県三沢市の産科で、フィブリノゲンを投与した妊産婦8人が8人ともC型肝炎に感染して大変な目に遭っているという報告が、厚労省にもたらされたのである。
厚労省はミドリ十字に多くの天下りを入れている関係で、「薬害」ということになったら世間的にまずい。そこでミドリ十字と厚労省薬務局安全課の室長が、
「理論的武装が必要だ。患者の不利益についてやむを得ないと事を述べている文献を探せ。
また、現在の学問レベルでは原因究明、予知は無理という文献はないか。」 と示唆。
さらに「良くするには研究開発か手がないということで肯定していく。即ち努力してもここまでが現状と行くことでいこう。」
と患者よりミドリ十字を守る、さらに天下ったこう厚労相の先輩を守ることに悪知恵を働かせたのである。
そのおかげでフィブリノゲンによるC型肝炎患者は全国的に30万人とも言われ、肝炎の病気に悩まされている人も多いし、さらに進んだ肝癌で亡くなる人も多いのだ。
C型肝炎は早期の場合、「インターフェロン」注入で完治することが判っている。
C型肝炎の治療には患者自身に大変金もかかるし、その間仕事もできず貧困にあえぐ人も多いのが現状。
厚労省はこれまで「フィブリノゲンをいつどこで投入したのか判らないし、患者も知らない。」と言い張ってきた。
ところが、C型肝炎に取り組んだ民主党の菅直人氏、山田正彦氏、山井和則氏らが「患者リストはあるはずだ。」と厚労省に迫ると渋々「地下三階の倉庫に418人分のリストがありました。」と出してきた。
菅直人氏は
「いつ誰がリストを倉庫に隠したのか、誰がリストを発見したのか。はっきり言え。あんた方は患者や病院のプライバシーを強調するが、救える患者にははっきりと本人に告げて、インターフェロンの治療を国の責任で受けさせるべきじゃないか。これじゃ、エイズ問題と一緒だ。」
と厚労省の役人に迫ったが、「ウンともスンとも」言わずに逃げる。
実は患者418人分の投薬リストは2002年に厚生労働省に届けてある。この時の厚労省担当者がM氏だった。
M氏は、「このリストは、調査しただけで、一般に公表するものでない。」と言っている。
倉庫に隠したのもこのM氏ではないかと言われている。
山井和則氏が言う。
「この人物が何と健康被害を受けた方には「より迅速な」救済を行うことができるという独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のトップ、つまりC型肝炎ウイルス患者名を握りつぶした当事者が、薬害被害の救済を担当する独立行政法人の理事長に天下ってるんですから、厚労省ってどういう役所なんですかね。」
舛添大臣が「患者救済をやろう。」なんて言ってますが、あれは大臣の遠吠えだと厚労省の役人は患者救済なんて全くやる気がないようです。