自閉症 発達障害

自閉症や発達障害について

GAD65酵素の自己抗体と、糖尿病、自己免疫および自閉症

テレサ・コンリック先生

最近の実験では、娘の自己免疫状態は自己抗体のGAD65と関連があるという結果が出た。これは一種糖尿病と関連が多い。WikiでのGAD65の概略説明は次の通り。

「-グルタミン酸塩脱炭酸酵素またはグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)は、グルタミン酸塩をGABAとCO2に分解する脱カルボキシル化触媒酵素である。」

グルタミン酸塩とGABA、この2つは自閉症診断でよく知られているものである。実は私は去年グルタミン酸塩についての研究論文を執筆し、それが自閉症とどう関連するかを研究した --- 「グルタミン酸塩レセプタはグルタミン酸塩の媒介する神経細胞のシナプス後興奮の原因であり、また神経伝達、記憶形成、学習および制御に重要である。さらに、グルタミン酸塩レセプタは、興奮性神経毒およびその中枢神経系への波及において中心的役割を果たすため、神経変性疾患の病状と関連する。」

これはメグの症状の説明になっている。彼女の身体はグルタミン酸塩(興奮性)をGABA(阻害性)に変換しない。私が驚いたのは、非常に最近の研究で、私の娘が自閉症の診断とGAD65に関連する自己免疫プロセスを示す唯一の症例ではないことがわかったからだった。

自閉症またはADHDの幼児の血清におけるGAD65自己抗体の存在

「グルタミン酸脱炭酸酵素65(GAD65)に対する抗体が神経疾患患者数名の血清から検出された....GAD65抗体は自閉症の幼児の15%(N = 20)、ADHDの幼児の27%(N = 15)の血清から検出されたが、対照群(N = 14)の血清からは検出されなかった.....血清のGAD65抗体は自閉症とADHD患者下位群の一般的マーカーかもしれない。当該患者の血清抗体の小脳細胞内での反応は脳機能への直接的影響を示唆する。自閉症とADHDの幼児でGAD65抗体の陽性反応が出た下位群については、さらに大規模な研究での特性解明が待たれる。」

娘の体にいる敵と対面したような気分だ-- でもどこから来て、どんな意味を持つのか? 知るだけではまったく楽にはならないが、探検すべき正しい、効果のある医療への道を開くものだ。私のような親に、あなたのお子さんは自閉症です、自閉症は行動上の症状です、医療検査はありません、と言い続ける医者は、そろそろその言葉を止めるべきだ。

次は今私が学んでいることの青写真と、点同士を結ぶ線だ。

1型糖尿病におけるGAD65への抗体反応の多様性

「GAD65の自己抗体(GAD65Ab)は一種糖尿病(TID)患者の大部分が保有しており、この疾患の主要マーカーとなっている。」

グルタミン酸脱炭酸酵素特有のCD4+ T細胞が媒介する中枢神経系の破壊。

「1型糖尿病患者とCNSに影響する疾患である全身硬直症候群(SPS)の患者では共通してグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)65に対する自己抗体の力価が高かった。また、SPSの1変種では、硬直と筋間代を伴う脊髄脳炎の進行が見られた。」

抗グルタミン酸脱炭酸抗体に関連するてんかんと小脳性失調症

「抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体は全身硬直症候群だけでなく、小脳性失調症やてんかんなどの神経系症候群に現れる。」

このようにGAD65は神経系を痛める可能性があり、また膵臓を損傷する。点同士がさらにつながった。

「GADは脳内神経伝達物質の主要阻害物質であるγアミノ酪酸(GABA)の形成の触媒作用を及ぼす。人体では2形態、GAD1/GAD67とGAD2/GAD65が発見されている。これらは脳、膵臓、卵巣、および卵管に現れる。GADの異常はてんかんや統合失調症などいくつかの神経疾患と関連がある。GAD2/GAD65はインシュリン依存性真性糖尿病における自己免疫の標的である。」

自閉症と診断された患者ではGAD65とGAD 67はともに機能不全になっていると見られるので、これは興味深い。これに関連して、娘はエストロゲンに関係する発作を発現している。これを次の水準まで掘り下げて人体がどのようにこの自己免疫プロセスを発現するか解明すれば、最終的には自閉症に陥った多くの子供に見られる症状に戻ってくるだろう -- ワクチン接種 -- 感染症 -- ミトコンドリア機能不全 - 異常免疫応答などに。

ワクチン接種

「ある一定の一時的期間にT1DM(1型真性糖尿病)の一群の症例が発見されたことで、ヘモフィルスワクチンとT1DMの関連性が確立されたといってよい。現在の知見からは、一群のT1DM症例が百日咳、MMRおよびBCGのワクチン接種後2~4年で発生していることがわかる。データはおたふく風邪感染後の発症群と対膵臓自己抗体を持つ患者のT1DMの進行と一致している。」

「"デンマークのコホートデータでは、1990年1月1日から2000年12月31日までに生まれたすべての子供を分析し、デンマークの子供の免疫化と1型糖尿病との関連性と、1型糖尿病の兄弟がいる子供の下位群を調査した。小児ワクチンは一般集団の21終点のうち12点で、1型糖尿病のリスクの統計学的に有意な増加に関連した。

感染症

「自己抗原を装う病原菌の抗原が自己反応性T細胞の活性化の原因と考えられる。ウィルス性感染症は神経性内分泌性自己免疫疾患1型糖尿病と全身硬直症候群の発現に関連するが、そのメカニズムは知られていない。こうした疾患はどちらもグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD65)が主要自己抗原である....自己免疫疾患同士が病原で関連性があることは考えられる。自己免疫疾患の環境要因を表現するのに分子擬態が仮定される。1型糖尿病とSMSはともに微生物感染と関連性がある。」

インシュリン依存性真性糖尿病(IDDM)は非遺伝性病因の優勢な自己免疫疾患で、罹患すると自己免疫Tリンパ球により膵臓β細胞が破壊される。我々の結果では、IDDM患者のモノクローナルまたはポリクローナルのGAD65特有T細胞がウィルスペプチドとバクテリアペプチドによって刺激され得ることが示された。自己抗原エピトープとの配列相同性はあまり見られない。

ミトコンドリア

「GABA生合成の律速段階はGADによるグルタミン酸の脱炭酸化なので、GADをどう制御するか理解することが重要である。今のところ、GADは転写段階では交互スプライシングにより制御されること、および転写後段階ではタンパク質リン酸化、パルミトイル化および活性依存性切断によって制御されることが分かっている。ここで我々は、軸索末端のミトコンドリアにGAD65が存在する新たな証拠を提示し、ミトコンドリアのGAD65によって生成されたATPが、GAD65の触媒するGABA生合成にエネルギーを供給する機能、および小胞GABA輸送体(VGAT)によりシナプス小胞に封入する機能の重要部分を担う可能性があるというモデルを推定する。」

「ミトコンドリアの新陳代謝は、グルコース感知とインシュリン分泌を同時に行う信号を発生させることで、膵臓β細胞において極めて重要な役割を果たす。我々は以前、ミトコンドリア由来グルタミン酸がインシュリンエキソサイトーシスの活性化に直接関与することを示した。本研究の目的は、変性した細胞グルタミン酸塩の段階をグルタミン酸塩脱炭酸酵素(GAD)の過剰発現により強制し、細胞性グルタミン酸塩の上昇を抑制することである。」

異常免疫応答

NODマウスで抗GAD65反応を耐性化、逸脱化または変性する処置をすると、インシュリン炎と糖尿病の発症が遅れたり予防されたりするようになった..... 分子擬態モデルの魅力のひとつは、1個のエピトープをイニシエータとして与えることで、これは幼年NOD(非肥満糖尿病)マウスの自己免疫進展で表現される自己免疫の連続パターンとして現れる可能性が高いことである。」

「自己免疫のメカニズムがIDDM(1型(インシュリン依存性)真性糖尿病)の異常発生過程に関与しているということは、次の実証研究の知見により支持される。つまり、風疹ウィルスカプシドタンパク質のモノクローナル抗体は人体とラットの島細胞のB細胞エピトープを認識すること、およびT細胞はB細胞自己抗原であるGAD65への先天性風疹細胞毒顕現反応を示す患者をクローンすることが示されている。」

このように、GAD65が自閉症、糖尿病および自己免疫の重要な研究手段である可能性を示す証拠はたくさんあるようだ。興味深いことに、米国小児科学会は1999年に次の研究を発表している。

はしか・おたふく風邪・風疹への曝露の経験(ただし青年期のワクチン接種ではない)は膵臓および甲状腺の自己抗体優勢と相関する。

「概要。目的。本研究は、自然感染、ワクチン接種またはMMRワクチンによる新たな免疫化によるはしか、おたふく風邪および風疹(MMR)の既往歴と、甲状腺細胞に対する自己抗体ならびに膵臓B細胞抗原の存在または段階との間に、関係があるかどうか判定することである。方法。対MMR抗体および対チログロブリン、甲状腺ペルオキシターゼ、ランゲルハンス島細胞(ICA)、島細胞表皮、グルタミン酸脱炭酸酵素65の自己抗体、ならびにインシュリンを先に調べ、3ヶ月後、混合MMRワクチンを11~13歳の児童386人に接種した....ワクチン接種は自己抗体の優勢にも段階にも変化を与えなかった。」

青年期のMMRワクチンは、ほとんどの人は1歳以上の乳幼児期にMMRワクチンを接種するため、意味がないようだ。ミーガンは15ヶ月目に接種して、熱を出し、10日間発疹が出て、その後自閉症を発症した。18年後の現在、彼女のはしか・おたふく風邪・風疹の力価は異常に高く、免疫の通常範囲を超えている。この高いウィルス価は、今彼女がどのように、またどうして自己免疫疾患を発症しているかを示す徴候であろうか? 自閉症の他に糖尿病もいずれ発症するのか? 彼女の病気の正確な答や本当の助けはいつ得られるだろうか?

我々のデータが示唆するのは1型糖尿病を患ってトロントの小児科医院・糖尿病クリニックに通院する子供の自閉症スペクトラム障害の有病率は、一般人口より高いかもしれない(0.9% [95% CI 0.3-1.5] 対0.34-0.67)ということである。共通の自己免疫病因など、何らかの要因がこの知見を説明するかもしれない。」

テレサ・コンリック先生はAge of Autismの寄稿編集者です。

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