自閉症と自己免疫
テレサ・コンリック
私の娘、ミーガンは予防接種後、身体的・精神的・社会的健康状態が退行した。彼女の人生は永遠に変わってしまい、私は、彼女のような状態になった多くの子供とともに、その原因と、彼女の生活の質を向上させるための治療法の両方を探すことに全力を注いでいる。
そのため、私は研究論文や学術論文の読破に時間を費やし、何らかのつながりを明らかにしようとした。そうしたつながりには、免疫の問題、自己免疫、水銀、およびワクチンが絡まっていた。ミーガンは自閉症と自己免疫の診断を受けていた。何らかのつながりがある。
「当院で診断した自閉症スペクトラム障害(ASD)患者の中には、他のASDの子供とは医学的に区別される一群がいた。その群は、感染症にかかる頻度が高く(たいていはウィルス)、さらに行動上の症状の悪化と、獲得能力の喪失・減退が見られた。
本研究ではこのASD群の臨床的特徴にアトピー、ぜんそく、食物アレルギー(FA)、一次免疫不全(PID)、またはウィルス感染において重要な先天性免疫応答が含まれるかどうか検討する。ASD試験群の臨床的特徴には、本研究ではアトピー、ぜんそく、FA、PIDはなかったが、おそらく神経免疫相互作用を仲介する特異性TLR応答を伴うと思われる。」
退行性自閉症の子供は変異性TLR応答を併発しているかもしれない、という著者の結論は重要なものと思われたので、私はなぜそれが発生するのか調べた。
ここでトール様受容体に関する論文が読めるが、私はさらに関係があると思われる興味深い博士論文を発見した。
水銀誘導性自己免疫におけるナチュラルキラーT細胞とトール様受容体の制御的役割
「ここで我々は、水銀の投与が内因性リガンドの解離につながり、それがTLR7を活性化することを示す。TLR7は全身的自己免疫に関係する先天性免疫受容体である。」
興味深かったが短い博士論文だったので、さらに探す必要があったが、幸いにも調査研究として出版された博士論文を発見した。
細菌感染、ウィルス感染および寄生虫感染が自己免疫疾患の発現と悪化に関わっていた(6)。多くの研究から、化学物質(薬物や重金属)への暴露も自己免疫疾患の発病や悪化を引き起こすことが示された (19,20,49,50)。
しかし、感染と化学物質の自己免疫疾患に関する影響はほとんどの場合別個に研究されているが、ヒトの患者は両方の因子にさらされる場合が多い。ゆえに本研究では、一般に分布する化学物質と感染性因子の自己免疫に対する影響を試験した。
スフィンゴモナス種のNKT細胞リガンド含有バクテリアは地中微生物として豊富にあり、健常人の25%の糞便で検出される(51)。接触の程度は人によって違うものの、水銀は環境への自然放出、汚染物質として多量にあること、歯科用アマルガム、化粧品、保存料、燻蒸剤、およびワクチン製剤などがあるので、暴露はほぼ普遍的である(7,52)。前に示したとおり、通常維持される免疫寛容は水銀の暴露で壊される。水銀とバクテリアを両方とも投与すると、顕著な反核小体反応を誘発し、重金属誘導性自己免疫を悪化させる。
この論文は、私が見た中では、水銀と「バクテリア、ウィルスおよび寄生虫への感染」が自己免疫疾患に関与または悪化させるかもしれないことを初めて指摘したものだった。「ワクチン製剤」(チメロサール)への言及は注目に値する。
さらに調べると、次のようなプレスリリースを発見した。その中では明確なメッセージとして「米国カリフォルニア州ラ・ホーヤ、2006年12月20日—スクリップス研究所の科学者チームが、ワクチンの効力を高めるためにある成分—TLRリガンド—を入れる必要性に疑義を呈する研究を発表した。
TLRリガンドを入れなければ製造コストを抑えられる上、この成分の潜在的副作用、例えば炎症や自己免疫症候群を避けることができる。」
驚くべきことだが、TLRがワクチンに使われてきた歴史があるのは事実である。
エモリー大学の研究者がTLR4・TLR7結合リガンドでワクチンアジュバントを開発していた。
トール様受容体の作用薬: もはやワクチン用だけではない
「免疫反応を調整できる能力はワクチンアジュバントの重要な機能だった—特に、ワクチン製剤においては、特定の抗原に対する免疫反応が比較的弱い場合、アジュバントで強めることができる。近年では、分子生物学者が免疫系の色々な細胞に対するトール様受容体(TLR)の役割について、さらには受容体のリガンド結合がどのようにして特定種の細胞の活動を強めたり抑制したりするかについて、高度な知識を蓄積してきている。
その結果、さまざまなTLRリガンドが近年ワクチンアジュバントとして使われることが多くなっている。実際、TLR4作用薬(Cervarix)を含有するワクチンが米国と欧州で最近承認された。」
米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、2009年11月25日 – (BUSINESS WIRE) Idera Pharmaceuticals, Inc. (Nasdaq: IDRA - News) は、Merck & Co., Inc.が、系列会社を通じて、Ideraとの共同研究をさらに1年間延長し、共同研究が4年目に入ることを発表した。2006年12月、両社は排他的許諾・共同研究契約を締結し、トール様受容体(TLR)7, 8および9を標的にした同社の治験的作用物質を含有するワクチン製品の研究、開発、商用化を目指している。対象分野は腫瘍学、感染症およびアルツハイマー病である。契約の一環として、両社は共同研究開発を2年間実施し、免許分野におけるワクチンに応用するものとして、TLR7とTLR8を標的とし、MerckとIderaの化学を応用する新規作用薬の創成を目指した。Merckが共同研究を1年ずつ、合計2回延長するかどうか決める権利を持っている。
TLR作用薬についてはここに説明がある。
トール様受容体(TLR)作用薬は先天性免疫応答の強力な活性剤で、樹状細胞(DC)の成熟と先天性免疫細胞による炎症性サイトカイン分泌を活性化して、その結果外来抗原と併用した場合に適応免疫反応を促進する。
免疫系をいじくり回す人間が免疫や自己免疫で重大な帰結をもたらすかもしれないと考え、警戒している。しかし、それが事実であることを示す証拠は山のようにある。
治療用TLR作用薬の開発が急速に進展したが、それに伴い、これには理論的に自己免疫や自己免疫疾患を誘発する危険性があると指摘する声も上がっている。
見たところ、「汚染物質として多量にあること、歯科用アマルガム、化粧品、保存料、燻蒸剤、およびワクチン製剤などに含まれる」水銀がトール様受容体(TLR)を活性化することで免疫疾患・自己免疫疾患を引き起こしている可能性があるが、さらに、人工的なトール様受容体も独自に免疫系や自己免疫性に影響を与えているかもしれない。私達Age of Autismはこれからも警鐘を鳴らし続ける。
テレサ・コンリックはAge of Autismの寄稿編集者である。